すべての星座は、数個から20個ほどの星をつないで描かれます。
明るさや色の違いがあるとしても、星は漆黒の中に浮かぶ輝点にすぎません。
想像してみてください。
わずか20個ほどの点だけで、動物や人物などを描くことを。
画用紙に鉛筆だけを使って描くのに比べても、表現の自由度は著しく低いはずです。
にもかかわらず、星座のいくつかは、誰が見ても「あれだ」と判るほど、被写体の特徴を的確に表現しています。
数ある星座の中でも、さそり座は最高の傑作だと私は思います。
(マウスを重ねると、説明が出ます)
心臓にあたる赤い星アンタレスから、頭部を表す3星の配置、よく見るとその左右には、大ばさみまで描かれています。
腹部の緩やかなカーブを経て、弧を描く尾部に至りますが、その先端で鋭角に折れ曲がった2星は、毒針を表現しています。そしてその周囲には、飛び散った毒液を星団で表現するという念の入れようです。
ネット上にあるサソリの写真とぜひ比較してみてください。
おおよそ星だけでサソリを表現しようと思えば、これ以上は無いだろうというレベルで、完璧に描いています。
神様は本当に偉大な芸術家です。
形がハッキリした星座は、しし座、ペガスス座、おおぐま座、はくちょう座など、他にもいくつかあります。しかしいずれも、さそり座ほどの精巧さはありません。
仮にさそり座を写実的な絵画に例えるならば、その他はマンガと言っていいほどです。
ところで、なぜサソリなのか?
数ある星座の中で、あるいは数ある生物の中で、神様はなぜ、これほどまでに力を込めて完璧にサソリを描いたのか。
実は、これが私が抱いている謎の一つなのですが、最近これについて何となく想像していることがあります。
これについては、また別な機会にお話ししたいと思います。
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